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Posted by オオサカジン運営事務局 at

2016年05月05日

高天彦神社:もう一つの神話  

日本さくら草を見にいった御所市の高鴨神社(昨日記事)が、古代の名門豪族の鴨氏が勢力を張った葛城の地に由来する最も古い神社の一つと知り、にわかにこの地に興味を持ち、いつか植物観察で立ち寄ったことのある高天原に鎮座する高天彦神社へまわることにしました。
高天原は記紀神話に登場する神様たちが住むとされる天上界のことで、天照大神の孫にあたる瓊瓊杵尊(ニギノミコト)が地上界に降臨する天孫降臨伝説は 高天原から日向の高千穂へと天下る神話です。
高天原はどこをさしているかは諸説ありますが、その中で奈良県御所市にあって金剛山の中腹に広がる高天台地が、古来より神話の世界である高天原の伝承地として伝えられる場所のひとつとなっています
現在、金剛山と呼ばれる山は古代に大和側からは高天山と呼ばれていたといいます。
この高天原エリアを含む葛城地方は、大和朝廷以前の古代にこの地域は葛城王朝と表現されるほど強大な勢力を誇った葛城氏という豪族の本拠地でした。
高天に鎮座する高天彦(たかまひこ)神社の祭神として神話で活躍する高皇産霊神(タカミムスヒノカミ)が祀られています。

狭いが神秘的な参道の高天彦神社


簡素な拝殿


高天原旧跡地の碑


高鴨神社から少し上って八幡神社に車を停め、近道という山中を登る途中、86歳という農家の古老に道を聞いているうち、いつの間にか、この土地に伝わる高天原伝説や古代豪族などの話を長い時間伺うことになりました。
葛城系の古豪に代わって覇権を握った藤原家が己の正当性を示すために都合のよいように記紀を編纂させたので、神話時代とはいえ、史実が捻じ曲げられて話が作られたのが悔しい。一生懸命伝承を守ってきた高天の人も、今では僅か6人となってしまって、先が案じられると憂い顔でした。
思いがけず、土地に伝わる誇り高い伝承を何とか後世に伝え続けたいという古老の切なる心情に触れた思いを胸に、高天彦神社に詣でたことでした。

金剛山東麓に広がる高天台地



  

Posted by むかご at 19:16Comments(0)