オオサカジン

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Posted by オオサカジン運営事務局 at

2016年05月01日

丹生都比売神社:隠れ里の世界遺産


真っ先に目に入るのは太鼓橋

少々旧聞に属しますが、和歌山城、紀三井寺、粉河寺の桜をみたのち、かつらぎ町妙寺からに紀ノ川を渡り、山中の道を進みました。どんどんのぼるとにわかに視界が広がり静かな田園の風景に出会いました。
標高450mのこの盆地天野に朱塗りの丹生都比売神社が創建されたのは今から1700年前といいます。
主祭神の丹生都比売大神の「丹」は、水銀と硫黄の化合物で水銀製造や赤色絵の具の材料になる朱砂または辰砂を意味し、その鉱脈があるところに「丹生」の名がつきました。

さすが丹生神社、丹塗りの鳥居や本殿が美しい

丹生神社は全国に138ケ所、摂社末社を入れると180社余あるそうで、丹生都比売大神は、この地に本拠を置く日本全国の朱砂を支配する一族の祀る女神とされており、この社はその総本社だそうです。
また丹生神社の半分以上が和歌山県に集中しているといいます。そういえば“むかご”の故郷である和歌山県有田川町の小村の鎮守も祭神が丹生都比売尊で、女性の神様ゆえ荒事がお嫌いというので秋祭りでも御神輿はなく、祭りには隣村へ見に行ったことを思い出します。
白洲正子が「かくれ里」の取材で2度もこの地を訪れて「こんな山のてっぺんに田んぼがあろうとは想像もしなかったがそれはまことに天野の名にふさわしい天の一角に開けた広大な野原であった。もしかすると、高天原もこういう地形のところをいったのかもしれない。」と讃嘆しています。
丹生都比売大神の御子で祭神の一つとなっている高野御子大神は、密教の根本道場の地を求めていた弘法大師の前に黒と白の犬を連れた狩人に化身して現れ、大師を高野山へと導きました。弘法大師は、丹生都比売大神よりご神領である高野山を借受け、山上大伽藍に大神の御社を建て守護神として祀り、真言密教の総本山高野山を開いたといいます。
神社の本殿は、朱塗りに彫刻と彩色を施した山間の田園に不似合な程壮麗なもので、一間社春日造では日本一の規模を誇り、楼門とともに重要文化財に指定されています。朱塗りの太鼓橋も美麗なもので、「紀伊山地の霊場と参詣道」の丹生都比売神社境内として世界遺産へ登録されたことも手伝って、かつてのかくれ里も人影が多くなっていました。

一列に並ぶ4四つの本殿、空海を高野山へ導いた高野御子大神も祀られている



  

Posted by むかご at 19:30Comments(0)