2019年01月14日
大嘗祭に向けて最初の儀式、亀卜に使う波波迦採木式を参観
採木される波波迦の株元
今年は御代替り、一連の儀式の一つで、大嘗祭で供える新穀を作るための東西の斎田を選定(斎田点定の儀)する「亀卜」で使われる「波波迦」(現在名ウワミズザクラ)を宮内庁に献上するための採木式が、1月13日天の香久山の山麓にある「天香山神社」で厳粛に斎行されました。
古事記上つ巻「天の岩戸」の節に、「・・・天の香山の真男鹿の肩を打ち抜きに抜きて、天の香山の波波迦を取りて、占合(うらへ)まかなわしめて・・」とあるところから、天香山神社の祭神は天櫛真智命といい、神意を占う神様で、国家の大事を判断する亀卜や、今回のように天皇即位の大嘗祭に行う斎田卜定にかかわる神さまとして重んじられて来たのです。古事記では鹿の肩甲骨で占う太占(太占)ですが、斎田卜定では亀の甲を焼いて占う亀卜がおこなわれ、今上天皇即位の時も同様に天香山神社で採木が行われています。
使われるウワミズザクラは、バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木で、 和名は古代の亀卜(亀甲占い)で溝を彫った板(波波迦)に使われた事に由来し、ウワミゾがウワミズに 転訛したものされ、漢字では上溝桜と書かれています。
採木式は、神事にかかわる人のほか、地元住民を主とした多数の参観者が見守る中で行われました。
御代変り最初の儀式というのにマスコミ関係者の姿はなく、そのことがまた、この儀式が地元住民の手で行われてきた長い歴史や、地域と神の結びつきを感じさせるものでした。
践祚がない限り行われることがない何十年に一度の儀式。もう2度と見ることができない採木式を参観できたのは幸運でした。案内して頂いた地元の友人に感謝です。
天香山神社一の鳥居
神事が行われる拝殿
採木の準備も整って
今上天皇の即位時の採木式の記念石碑
拝殿に向かう神職
続く巫女さん
拝殿では神事が執り行われている
一般参加者もお祓いを受ける
神職たちが採木場に移動
切り揃えられる波波迦
伐られた波波迦は神前に供えられ報告される
ウワミズザクラの花
Posted by むかご at 15:00│Comments(0)