2008年04月04日

老いの青春旅行Ⅲ:倉敷⑧孫三郎のこだわり 


喫茶エルグレコ


蕎麦”あずみ”


美術館の入り口の右隣は、エル・グレコという喫茶店になっています。なんらかの目的でこの建物が立てられたとき、あまりにも美的感覚を欠く単なる四角い建物であったため、大原孫三郎は美術館との釣り合いが取れないといたく不機嫌だったそうです。
息子総一郎が孫三郎の秘書だった女性にここを喫茶店として開かせました。いまでは外壁を蔦で覆れ、店も古さびて、さほど周囲と違和感がありませんが、美術館と並べて見てみると、当時の孫三郎の気持ちが分かる気がします。
その右隣が“あずみ”という名の蕎麦屋です。これも倉敷によい蕎麦屋がないので、東京からの客をもてなそうと総一郎が信州からそば職人を連れて帰りここで店を開かせました。その店がそのまま続いているだけでも立派ですが、今なお“あずみ”のおかみが、毎朝一番そばを、大原家の仏前に供えるために運ぶといいます。こだわりの孫三郎と総一郎、代が変わっても恩を忘れない商人の心意気、時代離れしているとはいえよい話です。

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